腎不全・人工透析での障害年金請求について
腎疾患の障害年金はどのような基準で認定されるのでしょうか?
国民年金・厚生年金保険「障害認定基準」には次のように記載されています。
- 腎疾患による障害の程度は、自覚症状、他覚所見、検査成績、一般状態、治療及び病状の経過、人工透析療法の実施状況、具体的な日常生活状況等により、総合的に認定するものとする。
- 腎疾患による障害の認定の対象はそのほとんどが、慢性腎不全に対する認定である。慢性腎不全とは、慢性腎不全によって腎機能障害が持続的に徐々に進行し、生体が正常に維持できなくなった状態をいう。
- 腎疾患で最も多いものは、糖尿病性腎症、慢性腎炎(ネフローゼ症候群を含む)、腎硬化症であるが他にも、多発性嚢胞腎、急速進行性腎炎、腎盂腎炎、膠原病、アミロイドーシス等がある。
⇒日本年金機構HP/腎疾患による障害(PDF)
人工透析療法施行中の場合は2級に該当
人工透析(血液透析もしくは腹膜透析)を受けている場合は障害等級2級の基準に該当します。
なお、主要症状、人工透析療法施行中の検査成績、長期透析による合併症の有無とその程度、具体的な日常生活状況等により、さらに上級等級に認定される場合もあります。
人工透析療法を行っている場合は、「障害認定日の特例」により、人工透析を開始した日から3カ月経過した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)が障害認定日となります。
注意点としましては「腎疾患」では、人工透析を受けるまでには至らない場合でも検査成績や自覚・他覚所見、日常生活状況等により障害認定基準に該当する場合があります。
腎疾患の具体的な認定基準
では具体的な腎疾患の認定基準を説明します。
腎不全の検査として多く行われているのは血液検査と尿検査です。指標となるのは、血液検査で調べられる血清クレアチニン値(Cr)や推算糸球体濾過値(eGFR)、尿検査で調べる内因性クレアチニンクリアランス(Ccr)です。
【①慢性腎不全】
区分 | 検査項目 | 単位 | 軽度異常 | 中等度異常 | 高度異常 |
ア | 内因性クレアチニンクリアランス | mL/分 | 20以上30未満 | 10以上20未満 | 10未満 |
イ | 血清クレアチニン | mg/dL | 3以上5未満 | 5以上8未満 | 8以上 |
※eGFR(推算糸球体濾過量)が記載されていれば、血清クレアチニンの異常に替えて、eGFR(単位はmL/分/1.73㎡)が10以上20未満のときは軽度異常、10未満の時は中等度異常と取り扱うことも可能です。
【1級】
- 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
上記に該当、かつ【①慢性腎不全】検査成績の高度異常を1つ以上示している。
【2級】
- 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの。
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
上記のいずれかに該当、かつ【①慢性腎不全】検査成績の中等度又は高度の異常を1つ以上示している。
【3級】
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの。
- 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など。
上記のいずれかに該当、かつ【①慢性腎不全】検査成績は、軽度、中等度又は高度の異常を1つ以上示している。
【②ネフローゼ症候群】
区分 | 検査項目 | 単位 | 異常 |
ア | 尿蛋白量 (1日尿蛋白量又は 尿蛋白/尿クレアチニン比) | g/日 又は g/gCr | 3.5以上を持続する |
イ | 血清アルブミン (BCG法) | g/dL | 3.0以下 |
ウ | 血清総蛋白 | g/dL | 6.0以下 |
ネフローゼ症候群の場合、【②ネフローゼ症候群】検査成績のうちアが異常を示し、かつ、イ又はウのいずれかが異常を示すもので、下記のいずれかに該当する場合、3級相当となります。
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの。
- 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など。
腎疾患は人工透析を実施する前であっても、日常生活や就労に支障が生じている状況であれば検査成績等により障害認定基準に該当する可能性があります。
また、腎疾患の場合、長期間かけて進行することや糖尿病性腎症など初診日が十数年前のこともありその初診日の証明に苦慮することも少なくありません。
腎臓疾患での障害年金について相談・お問合せがありましたら当オフィスへお気軽にご連絡ください。最善を尽くしてサポートします。
腎疾患の障害年金はどのような基準で認定されるのでしょうか?
国民年金・厚生年金保険「障害認定基準」には次のように記載されています。
- 腎疾患による障害の程度は、自覚症状、他覚所見、検査成績、一般状態、治療及び病状の経過、人工透析療法の実施状況、具体的な日常生活状況等により、総合的に認定するものとする。
- 腎疾患による障害の認定の対象はそのほとんどが、慢性腎不全に対する認定である。慢性腎不全とは、慢性腎不全によって腎機能障害が持続的に徐々に進行し、生体が正常に維持できなくなった状態をいう。
- 腎疾患で最も多いものは、糖尿病性腎症、慢性腎炎(ネフローゼ症候群を含む)、腎硬化症であるが他にも、多発性嚢胞腎、急速進行性腎炎、腎盂腎炎、膠原病、アミロイドーシス等がある。
⇒日本年金機構HP/腎疾患による障害(PDF)
人工透析療法施行中の場合は2級に該当
人工透析(血液透析もしくは腹膜透析)を受けている場合は障害等級2級の基準に該当します。
なお、主要症状、人工透析療法施行中の検査成績、長期透析による合併症の有無とその程度、具体的な日常生活状況等により、さらに上級等級に認定される場合もあります。
人工透析療法を行っている場合は、「障害認定日の特例」により、人工透析を開始した日から3カ月経過した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)が障害認定日となります。
注意点としましては「腎疾患」では、人工透析を受けるまでには至らない場合でも検査成績や自覚・他覚所見、日常生活状況等により障害認定基準に該当する場合があります。
腎疾患の具体的な認定基準
では具体的な腎疾患の認定基準を説明します。
腎不全の検査として多く行われているのは血液検査と尿検査です。指標となるのは、血液検査で調べられる血清クレアチニン値(Cr)や推算糸球体濾過値(eGFR)、尿検査で調べる内因性クレアチニンクリアランス(Ccr)です。
【①慢性腎不全】
区分 | 検査項目 | 単位 | 軽度異常 | 中等度異常 | 高度異常 |
ア | 内因性クレアチニンクリアランス | mL/分 | 20以上30未満 | 10以上20未満 | 10未満 |
イ | 血清クレアチニン | mg/dL | 3以上5未満 | 5以上8未満 | 8以上 |
※eGFR(推算糸球体濾過量)が記載されていれば、血清クレアチニンの異常に替えて、eGFR(単位はmL/分/1.73㎡)が10以上20未満のときは軽度異常、10未満の時は中等度異常と取り扱うことも可能です。
【1級】
- 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
上記に該当、かつ【①慢性腎不全】検査成績の高度異常を1つ以上示している。
【2級】
- 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの。
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
上記のいずれかに該当、かつ【①慢性腎不全】検査成績の中等度又は高度の異常を1つ以上示している。
【3級】
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの。
- 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など。
上記のいずれかに該当、かつ【①慢性腎不全】検査成績は、軽度、中等度又は高度の異常を1つ以上示している。
【②ネフローゼ症候群】
区分 | 検査項目 | 単位 | 異常 |
ア | 尿蛋白量 (1日尿蛋白量又は 尿蛋白/尿クレアチニン比) | g/日 又は g/gCr | 3.5以上を持続する |
イ | 血清アルブミン (BCG法) | g/dL | 3.0以下 |
ウ | 血清総蛋白 | g/dL | 6.0以下 |
ネフローゼ症候群の場合、【②ネフローゼ症候群】検査成績のうちアが異常を示し、かつ、イ又はウのいずれかが異常を示すもので、下記のいずれかに該当する場合、3級相当となります。
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの。
- 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など。
腎疾患は人工透析を実施する前であっても、日常生活や就労に支障が生じている状況であれば検査成績等により障害認定基準に該当する可能性があります。
また、腎疾患の場合、長期間かけて進行することや糖尿病性腎症など初診日が十数年前のこともありその初診日の証明に苦慮することも少なくありません。
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